2023年(大正12年)9月1日 関東大震災がおきたこの日は帝国ホテル・ライト館の落成披露宴の予定日でもありました。
完成したばかりの帝国ホテル・ライト館をマグニチュード7.9といわれる大地震が襲ったわけですが、この建物はほぼ無傷で震災を耐え抜き世界的な賞賛を浴びたという話は、フランク・ロイド・ライトの設計にまつわる私の好きな逸話です。
現在、帝国ホテル・ライト館の一部は博物館明治村に保存されており、犬山観光では外せないスポットであると游月庵的に強く“推し”ます。
ぜひボランティアのガイドさんの説明を聞きながら建物をご覧ください。そもそも“明治”村にどうして大正の建物が保存・展示されているのか?という素朴な疑問や無造作に置いてある椅子やテーブルが当時の物でそれに実際に座れてしまうなど驚きのお話をいくつも教えてくれます。
さて、游月庵ですがこちらの建物も同じ年に建てられており、今はともに犬山にある100年繋がりの建物ということになります。
そうしたこともあり、游月庵のリノベーションにあたっては設計者のフランク・ロイド・ライトさんリスペクトでいくつかインテリアデザインに関してインスピレーションをもらいました。主には彼の事務所兼自宅として建てられた“タリアセン“を参考にしています。
いちばんわかりやすところでは、游月庵の玄関においてあるフロアライト。人気テレビドラマ「結婚できない男」で阿部ちゃんの部屋に置いてあったアレです。
アレはライトさんがタリアセン用に設計したもので、照明のyamagiwa(株式会社YAMAGIWA)さんがフランク・ロイド・ライト財団とのコラボレーションで復刻して販売されています。
この間、何の気なしにyamagiwaさんのホームページを見たところ、なんとyamagiwaさんの創業も1923年ということで、100年つながりが3つになりました。
游月庵にはライトさんの設計に関する書籍などもおいてありますので、ペラペラめくってそんな視点からも楽しんでいただけると嬉しいです。